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2020.08.21
「withコロナ/afterコロナ」に立ち向かう未来シナリオ
新型コロナウイルス(COVID-19)によって、様々な業界業種に甚大なる被害を及ぼし、組織内にも解決の難しい問題が起きています。
【COVID-19によって影響を受けたため、資源や予算の再分配を検討したいが、今後の影響度に関する認識や未来仮説が大きく異なり、ボードメンバー間、事業部間、グループ間などにおいて、早急な合意形成ができない】
【緊急事態宣言解除後におけるサービス提供の場や働く現場の打ち手を検討したいが、COVID-19によって、サービス提供の場や働く現場がどう変化するかのイメージが描けておらず、打ち手のアイデアを出せていない】
弊社がこの環境に対応して提供している「COVID-19 シナリオプランニング」の使い方がお役に立てるのではないか。と、考えて、情報共有しております。こういった共創や対話の場が、皆さまの力になることで、早期により良い社会の状態へ戻ることを願っています。
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Part1:COVID-19 シナリオプランニングとは?:
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シナリオプランニングは、不確実な環境を前提として、「複数の起こりうる未来」を未来シナリオとして描く手法です。
COVID-19 シナリオプランニングは、未来シナリオを描くために、「COVID-19 変化の兆し」という現在に起きている事象を兆しを活用し、起こりうる未来について「複数の未来シナリオ」を描きます。
例えば、「通勤シーン」はどう変わるでしょうか?
影響を与える兆しとして、以下のような事象がありました。
・都市部では、時差通勤が起きた
・殆どの人がマスクを着用した通勤となった
・手すりや券売機、ドアなどの衛生に意識が向いた
・自動車通勤や自転車、徒歩通勤は、しばらくの間は通常通り行われた
・在宅ワークが起きた
・タクシー利用が控えられた
・通勤場所が自宅となり、歩かなくなった
では、これらの事象を踏まえて、「通勤シーン」には、どんな起こりうる未来があるでしょうか?
・電車通勤はしばらく控えられ、自動車・自転車・徒歩通勤が始まるが、駐車場不足と大渋滞が発生する
・時差通勤に戻るが、電車は清掃回数が増加し、本数が減るため混雑する
・ソーシャルディスタンスを保つために、乗車人数に制限がかかる
上記は、「短期的な起こりうる未来の例」を挙げました。
起こりうる未来について、必要なメンバーが集まって共創で複数のシナリオを描き、事業や施策の優先順位を考え抜くことで、組織内での合意形成をしやすくなり、早期に効果的な打ち手を選択することができると考えています。
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Part2:COVID-19 変化の兆しとは?
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次に、『リビング』を例に【変化の兆し】について、記載をします。
変化の兆しは、【テーマに影響を与える変化要因のこと】です。
では、COVID-19で「リビングに影響を与えたこと」には、どのようなものがあるでしょうか?
例えば、以下のようなものが挙げられると思います。
・在宅勤務が増えた
・在宅ワークによる運動不足が増えた
・外食が減って自宅での食事が増えた
・緊急対応業務が増加した
・家庭内コミュニケーションに困る方が現れた
では続きまして、上記からどんな変化要因が考えられるでしょうか?
・在宅勤務が当たり前になる
・自宅運動者が増える/運動不足者が続出する
・外食産業が停滞化する/食材購入量が増加する
・オンとオフの境目がなくなる
・会えないことによる不和が生まれる
このような変化要因を洗い出した後に、『この変化要因が起きたとすると、未来はどんなリビングになるのか?』を洞察するのが、【未来シナリオ描写】になります。
ただ、これらを組み合わせてシナリオを描写しても、複数の起こりうる未来を洞察することはできません。
複数を洞察する場合は、【変化要因の整理】を行い、【軸の設定】をします。
変化要因の整理は、【影響度の大小】と【不確実性の高低】で整理を行い、軸の設定は、【影響度大×不確実性高】の領域から選定します。
(最適な軸の設定は、ケースバイケースなので、法則はありません)
少し難しく感じられたかもしれませんが、ぜひ一度やってみてください。
尚、COVID-19の変化の兆しを利用して、短期的な未来洞察を行う場合は、複数の未来を描く軸を設定した後に、【変化の度合いを設定すること】で、「Goodシナリオ」「Normalシナリオ」「Badシナリオ」などのシナリオを描写することができます。
これらは、影響度の認識違いによって、具体的なアクションのイメージに大きな違いが起きますので、セッションを活用して、認識を合わせながら進めることが重要だと思います。
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Part3:COVID-19未来シナリオとは?
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今回は、『通勤シーン』を例に【COVID-19未来シナリオ】について、記載をします。
未来シナリオは、確実性の高い変化の兆しをふまえて、インパクトが大きく不確実性の高い変化の兆しから、【未来の重要な分かれ道となる軸】をつくり、その【軸の先を描き出したもの】です。
では、COVID-19で『通勤シーン』には、どのような未来シナリオが描かれるのでしょうか?
通勤シーンで考えられる【未来の重要な分かれ道となる軸】には、以下のようなものが考えられますね。
・社会的距離が、厳格へ向かう
・社会的距離が、緩和へ向かう
・移動手段が、公共モビリティへ向かう
・移動手段が、私有モビリティへ向かう
そして、【軸の先を描き出したもの】としては、以下のような未来シナリオが、考られると思います。
・社会的距離 厳格 × 公共モビリティ = 社会的距離を保つために、乗車制限された公共モビリティが利用される
・社会的距離 厳格 × 私有モビリティ = 移動手段は、自動車や自転車が中心となる
・社会的距離 緩和 × 公共モビリティ = 移動手段は、beforeコロナに戻る
・社会的距離 緩和 × 私有モビリティ = 移動手段は、beforeコロナに戻る
最後に、未来シナリオを描いた上で、「その未来に起こりうる機会や課題の探索」をします。
例えば、以下のようなイメージです。
・公共モビリティに乗車状態の可視化が求められる
・公共モビリティに乗車予約が求められる
・空き駐車場の可視化が求められる
このような、機会や課題を洗い出した上で、アイデアを創出して、解決策を考えていくと、複数の未来へ備えることができます。
簡易的な説明のため、わかりにくい点もあったと思いますが、皆さまのお力になることを祈っています。
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参考:シナリオ・プランニング ― 未来を描き、創造する:
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シナリオ・プランニング ― 未来を描き、創造する
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