飲むPurpose&Values醸造研修
Day1~Day3はAgVenture Labの佐々木さん、上さんを講師に迎えて実施し、Day4は大阪府中津にある中津ブルワリーでビール醸造を体験しました。
【Day1 ビールの歴史・ビアスタイル講習WS】
Day1では、ビールの歴史とビアスタイルについて講義を受けたあと、FSSを表す単語や表現などPurpose&Valuesを確認して頭に思い浮かべたうえで、合計18種類(!)のビールを試飲し、どのビアスタイルの味わい、特徴がFSSに合うかを皆で考えました。
その味わい、ビールのエピソード、特徴や色から、ビアスタイルの候補を絞りました。皆で検討し、FSSでは様々なステークホルダーを対話に招き入れることから、「飲みやすさ」、「『招き入れる』を表現している」、コーポレートカラーから、「ゴールド」「『輝く未来』を表現している」といった基準でビールを作ることになりました。結果、1日目はインディアンペールエール(IPA)、フルーツビール、ヴァイツェン、セゾンに候補が絞られました。
1本ずつ試飲し、感じたことを付箋に書いて貼っていきました。
【Day2 レシピ検討&ビール名検討WS】
Day2では、Day1で挙げられた4つの候補からビアスタイルを決定し、ビールに入れる副原料や、コク、香り、味わい、色味、キレなどのレシピとビール名を考えました。
FSSのPurpose&Valuesや、フューチャーセッションに参加する方々の話がはずみ、新たな関係性が生まれる手段にもなってほしいという願いも込めて考えました。
【ビアスタイル】
ビアスタイルは、飲みやすさや、FSSのPurpose&Valuesを踏まえ、考えに考えましたが、最後には「Session IPA」というビールの存在があることを知り、FSSにピッタリ!ということでSession IPAに決まりました。
Session IPAとは:
アルコール度数は低めで、ライトボディーな喉ごしが特徴のスタイル。
アルコール度数が5%以下とされているため、アメリカでは「酔っ払い過ぎずに飲めるビール」と言われることがある。
【レシピに込めた思い】
● セッションで問いに向き合ったあと、ビールを飲んでリフレッシュしてモードを変え、次の問いへまた向き合う姿勢を加速できるような味わいに。
● ワクワクする未来を共創するセッションのように、ビールを開栓した瞬間、おいしそう!という味わいへの想像を掻き立てるようなワクワク感を持たせるため、初めに香りやキレを感じるような味わいにし、香りは華やかで爽やかなものに。
● 対話による共創により「この手があったか!」というアイデアが生まれる様子を表現できるよう、原材料を複数掛け合わせて良い化学反応を起こす。
● 副原料にはりんご、柿、カボス、ホタテを入れました。それぞれに、生産の背景に農業・漁業が抱える課題があり、ビールが課題に気づくきっかけになればという思いで以下の副原料をチョイス。
- 柿:特に種あり種の人気が少なく、販売価格低迷、生産者高齢化に加え、新しい苗を植えてから売り物になるまでの期間も長いため、新規参入障壁も高い。
- りんご:販売価格低迷、生産者高齢化に加え、重量の重い果樹の一つであり、生産者高齢化による収穫に対する負担が大きい。今年は、開花時期の凍霜害による影響で、枯死や中心花の欠損が起こり収穫量が3〜5割減。
- かぼす:収穫は8月〜9月が最盛期で、猛暑や生産者の高齢化等厳しい環境。収穫が全て手作業なので、高齢化や人手不足により収穫できず樹上に残されるものも多く、完熟してしまうケースもある。完熟かぼすとしてリブランディングするなどの対策がとられることもある。
- ホタテ:2023年は、中国からの全面禁輸により、大打撃を受けている。特に北海道産のホタテの8割が中国へ輸出されている。今回は、ホタテパウダーをSession IPAを醸造するのに最も重要とされる工程の一つであるpHの調整に用いる。
【ビール名】
Session IPA×Future Sessionsで「Future Sessions IPA」になりました。(ビールの泡にあやかった「Our Future’s Beer」とも迷いました・・。)
【Day3 プレスリリース作成&ラベルデザインWS】
クラフトビールをお披露目する際のプレスリリース案を考え、ビールを通して伝えたいことを言語化しました。
以下が社員考案リリースタイトルの一部です。
「新たな関係性と新たなアイデアを実装する象徴となるビールが完成!パーパスを大事にして対話的にビール作りを進めました」
「ただ麦を使うだけではなく、関係がないように見える果物やホタテもいろいろ混ぜたら、新発見・新鮮な味わいになる。これぞ共創。」
「メンバーの個性を生かしたラベルデザイン。会社としての想いや価値観をのせたコンセプトに仕上げています。」
「パーパスを体現すべく、身近な食に対する社会問題にも思いを馳せられるクラフトビールに仕立て上げました。」
その後、皆でプレスリリース案を共有して共感ポイントを出し合った結果、ビール「Future Sessions IPA」を味わっていただく皆様には、「複雑でおいしい」「輝く未来・Happy Future」「場の価値」「社会問題・農業問題への想い」「招き入れる→混ぜる→輝く未来へ、というつながり」「パーパスを言葉以外で表現することに挑戦」といった想いを込めたいということを確認しました。
【Day4 ビール醸造体験(仕込み)】
研修の最終日には、大阪市 中津にある「中津ブルワリー」に 赴き、醸造体験をしました。大きな鍋 で大麦をかき混ぜたり 、副原料となるカボスを絞ったり、ホップを粉砕したりして、初めての 場所で皆で体を使って汗をかき、仕込みをすることで、いつも とは異なるコミュニケーションが生まれました。当日は 天気がよく、休憩時間にはブルワリーの近所にある中津の街を散策してきました!
中津ブルワリー
ご近所の中津商店街
アート研修
ArtBarTokyoにて、Purpose「複雑な問題への認識を対話で大転換させ、ワクワクする未来を共創する。」と、ビール作りのキーワードともなった「混ぜる」「招き入れる」「輝く未来」をイメージした絵を社員で描きました。
トーンは4つのカラー「オレンジ」「ゴールド」「白」「薄黄色」で揃えましたが、あとは社員のセンスや想いにお任せ 。それぞれ、 ワインも飲みながら、リラックスした雰囲気の中で思い思いに筆を進めました。どれも個性があり、 美しい絵になりました!お互いの絵を鑑賞しながら、「この人はこんな絵を描くんだ!」と社員の意外な一面も知ることができました。 そして、この絵を組み合わせて最後にビールラベルのデザインに仕上げたのは代表の有福。社員の絵を丸くして組み合わせ、ポップな感じに仕上げました。
また、ラベルに使用しているのは、世界フェアトレード機関認証のバナナペーパーです。 通常廃棄されるバナナの茎をアフリカ農村部の貧困で苦しむ農家から購入し、地元の村の方によって茎から繊維が取り出され、バナナペーパーの原料と されて います。そして、そのバナナ繊維は、日本の伝統的な和紙工場や英国の由緒ある紙工場に 運ばれ、バナナペーパーに製紙されています。
乾杯!から始めます
8人の巨匠たちです
さて、私たちのビール、「Future Sessions IPA」に込めたストーリーまで知っていただき、乾杯が楽しみになったでしょうか?様々な想いを詰め込んだビール作りのストーリーにも少しだけ思いを馳せていただき、あとは、楽しく、おいしくビールを飲んでいただければ幸いです。
今回の2つの研修を通じ、FSSでもPurpose&Valuesについてお互いの価値観や想いを知りながら有意義な対話ができました。また、「Future Sessions IPA」はFSSの共創の新たな形でもあり、FSSのこれからの新たな可能性を見出すことができたように思います。
研修でお世話になったAgVenture Lab、中津ブルワリー、ArtBar Tokyoのみなさん、ありがとうございました!